所得水準に大きな差

本県から北西に直線距離で1400kmの位置に、中国遼寧省はある。平均的な年間所得水準は1人当たり9475ドル(2015年時点)で、これは日本の約4分の1だが、この平均値からは見えない遼寧省の姿が存在する。

遼寧省の中でも大連=写真=、瀋陽という日本となじみ深い地域では所得水準が高く、1人当たりそれぞれ1万6000ドル(日本の4割程度)、1万2700ドル(日本の3分の1程度)なのに対して、最も所得水準の低い鉄嶺市では4000ドル(日本の10分の1程度)だ。一つの省内の平均所得が都市間で4倍も異なっているというのは驚くべきことだが、これら三つの都市の中心部にあるショッピングセンターなどの商品価格は、都市間でほとんど差がなく、日本とも大きな差がない。

もちろんこれらの都市の中心部にも、低所得者向けの商品が販売される地域がある。大連、瀋陽では駅前通りの地下の商店街に地上の半分から4分の1程度の価格帯の衣料品や食品が販売されている。地上では従業員が制服を着てマニュアルに従い販売を行っているのに対して、地下では従業員が普段着で販売を行っている。中国のように一つの行政単位が膨大な人口を擁する国では、ほんの一握りのはずの富裕層がある程度の人口を持ち、百貨店やショッピングセンターの営業が成り立っている。このような遼寧省の姿は、公表されている所得の平均値からは見えないものである。

新潟日報エリナレター掲載