図們江輸送回廊WS(ウラジオストク、三橋特別研究員ほか)

2004年07月12日|ERINA日誌

会議報告

図們江輸送回廊活性化に向けたワーキンググループ会議の概要

9本の北東アジア輸送回廊のうち、北東アジアの全ての国・地域が関連する図們江輸送回廊の活性化を目指し、2004年7月12日~14日にロシア沿海地方において、沿海地方政府とERINAの共催によるワーキンググループ会議が開催された。

この会議は、2003年10月に琿春市、2004年2月に新潟市において開催された図們江輸送回廊活性化フォーラムを踏まえ、今後の動きにつながる具体的な事例について、関係者や専門家が現状を把握し、今後の解決策について議論することを目指して開催された。いわば、図們江輸送回廊活性化にかかる第3回目のフォーラムである。

ワーキンググループ会議には、ロシア(26名)、中国(11名)、日本(13名)から政府関係者、民間企業、専門家など50名(オブザーバー含む)が参加し、また韓国からは東春フェリー代表が参加した。

7月12日にウラジオストク市の沿海地方政府迎賓館において開催された基本方針会議は、沿海地方副知事のゴルチャコフ氏、前モンゴル大使の花田氏が議長を務め、トロイツァ港を利用した貨物輸送について、ロシアと中国との共同取り組みのあり方、また日本の協力の方法などについて具体的な議論がなされた。中国側からは、中国南部と東北を繋ぐ国内輸送にトロイツァ港を利用したい考えが示され、また石炭輸送の可能性についても意見交換がなされた。ロシア側からはトロイツァ港の活性化を中国側の協力を得て進めたいとし、具体的にはトロイツァ港株式会社と中国の民間企業が共同取り組みを行うことが提案され、中国側にそのパートナーとなり得る民間企業の推薦と具体的な協議の実施を求めた。また、具体的な貨物量調査の必要性とルート活性化にふさわしい、他のルートと十分競争できる輸送サービスの提供重要性が強調された。日本側に対してもトロイツァ港で取り扱うこととなりうる日本の重要な貨物についての情報提供が求められた。

13日には、ウラジオストクからハサン地区に移動し、カミショーバヤ積替え鉄道駅、ポシェット港を視察した。

また14日には、トロイツァ港を視察した。トロイツァ港には、輸入車・建機が並び、原木、スクラップなどの荷役も活発に行われ、また束草と結ぶ東春フェリーも入港するなど活気が見られた。

視察後は、トロイツァ港の事務所にて専門家会合が開催された。ここでは、トロイツァ港に関して、詳細な説明と質疑応答、意見交換がなされた。さらに、東春フェリー代表から港湾利用の実態と問題点が述べられた。港湾利用、国境通過などについて、具体的な意見交換ができたのは大変有意義であった。

3日間にわたる会議と視察を通じ、今後のアクションプランを盛り込んだ覚書がまとめられた。今回の会議では、中ロが共同で港湾経営に当る方向で協議を行うことが確認されるとともに、中国国内輸送路としての活用が提案されたことにより、図們江輸送回廊の活性化に向けて、具体的な動きが出てきたといえる。

次回は2004年12月に中国長春市にて第2回ワーキンググループ会議が開催される予定となっている。