経済協力へ変化 実感
先月、中国吉林省・延辺朝鮮族自治州で開催された「第2回北東アジア企業フォーラム」=写真=に参加した。中国・日本・韓国・ロシアの経済団体と企業家の代表が参加し、延辺朝鮮族自治州企業連合会・企業家協会の主催で行われた。
ロシアの代表は、沿海地方の開発方針と外資誘致策を紹介し、地域間の経済協力に対する強い関心を示した。先行社会経済発展区の有望な産業を紹介し、北東アジアビジネスパートナーシップの構築への熱意を伝えた。
ロシア政府の東方重視政策は地域の経済界に大きな刺激を与え、沿海地方の協力姿勢がより一層積極的になったと考えられる。発言は沿海地方のプロモーションになった面もあるが、北東アジア域内協力におけるロシア側の姿勢の変化に驚いた。
中国の代表からは、「走出去」と呼ばれる対外投資の事例が紹介され、中国企業による海外進出の現状分析や政策提言がなされた。北東アジア協力における中国の役割は、単なる資源や良質な労働力の提供に留まらず、企業の海外進出によって資本や技術も提供できるようになった。また、巨大な市場も有している。中国企業は経済発展段階の異なる国々の企業と同時に協力し、多次元のレベルでウィン・ウィン関係を構築できるようになったと言える。
北東アジア地域への協力姿勢がより鮮明になったロシア、長年の発展を経て企業の海外投資を推し進める中国、今回の会議に参加してその変化を実感した。
ERINA(環日本海経済研究所) 研究主任 穆尭芊
新潟日報ERINAレター2015年09月21日掲載