経済 モザイク状態に

欧米資本の商業施設が立ち並ぶ近代的な街並みがある一方で古い煉瓦で建てられた平屋住居の前を廃品回収の古びたトラックが走る街並みがある。四国と同じほどの広い面積をもつ北京だが、市内のわずか半径100メートル以内にこの2つの風景が存在している。最近、中国の実質経済成長率が7%を切ったということが大きく報じられたが、それぞれの街並みに住む人たちにとっては、同じ7%といってもその持つ意味はまるで違うだろう。

中国全土に目を向けると、利用可能な最新のデータで見ると、所得水準が世界47位の国と同じ水準の天津市と、115位の国と同じ水準の貴州省が併存している=図参照=。また、所得水準の高い地域では経済が低成長であり、所得水準の低い地域では高成長を維持している傾向もみてとれる。省間の所得格差は縮小傾向にあるものの、依然大きな差異が存在している。巨大な人口により支えられている国家とはいえ、経済規模の地域格差はあまりに大きい。

一国内の人種や民族が融け合わないような国家を「モザイク国家」と呼び、うまく融け合っている国家の状態を「人種のるつぼ」と呼ぶことがある。中国の抱える問題は、経済成長の鈍化より経済水準がモザイク状態にあることだと考えられる。経済成長の速さではなく、どう成長するのかに注目する必要があるだろう。

中国の地域別所得水準(ドル)

中国の地域別所得水準

2013年中国統計年鑑を基に筆者作成

 

新潟日報エリナレター掲載