変貌遂げる極東の街

ロシア極東のウラジオストクは、日本から最も近いヨーロッパの街として日本人に馴染みが深い。2012年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前後にしてインフラ整備が大きく進み、かつての閉鎖都市の面影を一新し、見違えるような街になったことは広く知られている。昨今の、ロシア政府の東方政策の中で、この街はロシアのアジア太平洋地域の中心都市としてさらに求心力を高め、変化が著しい。

経済・政治面からの変化が注目されがちのウラジオストクだが、ロシア文化と伝統の国内移設・移転ともいうべき試みも熱心に進められている。

2013年10月には、沿海地方ができて75周年を記念して、国立プリモールスキー・バレエ・オペラ劇場=写真=がオープンした。今年1月からこの劇場は「マリインスキー劇場沿海ステージ」と改名され、マリインスキー劇場(サンクトペテルブルク)の分館となった。市内の高台に位置し、技術装備は世界屈指といわれる、内部空間の大きな劇場である。マリインスキー劇場のソリスト達が来演するフェスティバルも開催されている。

これ以外にも、モスクワのトレチャコフ美術館の分館、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館とロシア美術館の分館、ロシア・バレエアカデミーの支部などの開設計画が進められている。

芸術は国境を超えて人と人を繋ぐといわれるが、こうした試みはロシア極東の発展に大きな意味を持ってくるだろう。我々日本人もそうした動きに無関心ではいられない。

マリインスキー劇場沿海ステージ

新潟日報エリナレター掲載