再生エネ開発を先導

6月下旬、ロシア極東における太陽光や風力発電などのいわゆる再生可能エネルギー開発に関する国際会議に参加するため、サハ共和国の首都ヤクーツク市を訪れた。サハ共和国は、日本の約8倍の国土を有するロシア連邦最大の地方行政単位であり、面積の約4割が北極圏に含まれ、全土が永久凍土で覆われている。

サハ共和国は、永久凍土からマンモスが発掘されることでも知られている。ヤクーツク市内にあるマンモス博物館=写真=には、全身の骨格、牙、表皮のほか、バイソンやヘラジカなどの動物も含め、1,500点以上の資料が展示がされている。それらは太古のシベリアを想像させ、自然のダイナミズムを感じさせる。

2005年の愛知万博では、サハ共和国で発掘された「ユカギルマンモス」の冷凍標本が展示され、当時大きな反響を呼んだ。発掘のきっかけが地球温暖化による永久凍土の融解とされ、展示を通じて地球環境と生命の関わりの問題が投げかけられた。

近年、ロシア極東では、広大な国土に点在する小都市や集落での電力の安定供給に向け、燃料の輸送コストが高くつく非効率的なディーゼル発電に代え、再生可能エネルギーの開発・導入が始まっている。サハ共和国は国際会議を主催し、この試みのイニシアチブを取っている。

再生可能エネルギーは温室効果ガスを生まないクリーンエネルギー、との視点に立てば、サハ共和国が進める試みは、永久凍土が解けて目覚めたマンモスが発した地球環境への警鐘を真摯(しんし)に受け止めた取り組みとも言えよう。

新潟日報エリナレター掲載