冬の草原 非日常の趣

昨年12月中旬、モンゴルのウランバートルにおいてモンゴル外務省が開催した通商政策に関する国際会議に参加した。その関連で、巨大なチンギスハン像=写真=を見学する機会を得た。

この像はウランバートルから50キロほど離れたトゥブ県エルデネ郡に、2008年にオープンした歴史施設「ツォルジンボルドグ」の中にある。像は内部が展示施設になっている土台部分を含めると高さ40メートルに達し、騎馬人物像としては世界最大とのことだ。

入場者は馬の背の部分にあたる展望スペースまで上ることができる。周囲には数十のゲル(遊牧民の移動式住居)が設けられており、またモンゴル帝国時代の騎兵の群像も設置されている。なお、所在地のエルデネ郡は16年から弥彦村と友好提携を結んでいる。

私が訪れた日は氷点下20度を下回る厳寒であったが、空は晴れ渡り、視界は抜群だった。低温と蒼天は非日常的な雰囲気を醸し出し、あたかも13世紀のチンギスハン皇帝時代の草原にタイムスリップしたかのような感覚を味わった。

厳寒の中の観光を終え、最近整備された近代的なリゾートホテルに案内され昼食を取った。分厚い羊のローストを温かいジュースと一緒にいただくと、芯まで冷え切っていた体が温まり蘇生するような思いがした。モンゴルの観光シーズンはもちろん夏であるが、厳寒の冬の草原もまた、日本では味わえない趣がある。

新潟日報エリナレター掲載