日中相互理解に希望

今年は戊辰戦争から150年、来年は新潟港開港150周年である。明治維新は歴史上の大転換であり、現代社会にも大きな影響を残している。幕末や維新のさまざまな出来事や人物は、大河ドラマをはじめ、テレビ、映画、小説、漫画で描かれることも多く、歴史専門家でない普通の日本人でもよく知っている。

とはいえ、それはあくまで日本国内の常識であって、一般的な外国人になじみはないはずだ。それだけに、先ごろ北京市科学技術研究院=写真=の招きで北京を訪れた際、空港まで送ってくれた若い中国人研究者が明治維新の研究をしていると聞いた時は驚いた。現代日本の発展の礎は明治維新にあり、そこから中国が学ぶべきことが多くあるはずだ、と主張する。

彼は、決して日本かぶれというわけではない。日本語はほとんどわからないという。その代わり、英語は相当に流ちょうで、中国なまりが気にならない。海外留学経験はないという言葉に耳を疑いつつ、我が身を振り返って少し恥ずかしい思いがした。

話をしていて困ったのは人名だ。維新の立役者の話をする時に、名前の漢字を中国語読みするので、こちらには誰の事なのかわからない。何をした人かといった説明を聞いたりしながら、見当がついたのは大久保利通と岩倉具視だけだった。ほかに名前を挙げていた2~3人は、結局誰のことを指しているのかわからなかった。

けがの功名というべきか、意思疎通に苦労した分だけ、彼の思いの強さを感じることができたように思う。帰国直前に、草の根の相互理解への希望という思わぬ土産を得て、うれしかった。

 

新潟日報エリナレター掲載