国境の町の観光開発

8月25日から5日間、「北東アジア企業発展フォーラム」と「図們江地域国際投資貿易商談会」参加のため、中国吉林省延辺朝鮮族自治州を訪れた。会合の合間に延辺各地を視察した中で、琿春市の防川景区(中国、北朝鮮、ロシアの国境地帯)は特に印象的だった。日本人にはなじみの薄い「国境線」、しかも3ヵ国が接する歴史的にも重要な地点。漠然と、殺伐とした光景を想像していたが、実際に行ってみると中国側の大胆とも思える観光開発の実態に目を見張った。

琿春市街から車で約30分、防川景区入口で専用バスに乗り換え数キロ進むと、高さ約65メートル、13層もの展望台「龍虎閣」=写真=の威容が目に飛び込んでくる。

そこからの眺望は、右手に図們江を挟んで北朝鮮、左手から前方はロシア、そしてはるか遠くに日本海。荒野に軍事施設が点在する光景は想像どおりだが、それと全く対照的な中国側の観光施設は異様とも思える。展望台上層部のベランダでカメラを構える私に、「以前なら狙撃されますよ」と、お世話になった延辺企業連合会の趙副会長が笑顔で一言。これもまんざら冗談ではないようだ。

延辺は湿度が低いせいか、残暑の新潟から来た私にはとても快適で、冷麺、串焼きなどの名物料理も日本でおなじみながら、一味深くとても美味だった。現地の観光ガイド本によれば、温泉リゾートや大仏さんなど日本人好みの観光スポットもあるとか。物価の安さも相まって、日本のリタイア世代には避暑地としての魅力満載という印象だった。

新潟日報エリナレター掲載