老若男女集う図書館

昨年から在外研究(地域経済分析)で米国南部のテネシー州に来ており、毎週末に訪れる図書館がある。ブラウント郡公共図書館=写真=。地域の図書館に対する私のイメージを大きく変えた場所だ。

朝、開館前にもかかわらず多くの人が玄関で待っている。開館すると、子供連れの家族、若者、年配の人々が次々に入り、サッカーコートの広さを持つ駐車場もすぐに満杯になる。

中に入ると、開放的な空間にライト付きのテーブルがたくさん並び、本やノートを広げて読書や勉強に励む若者がいる。ソファでイヤホンを付けて音楽を聴いている女の子もいれば、受付の目の前にあるパソコンブースで懸命にマインクラフトのゲームをやっている男の子もいる。年配の方は窓近くのテーブルでチェスの対局をしており、おばあさんたちはソファに座って会話を楽しんでいる。

学生たちはガラス張りの個室でサークルの打ち合わせをし、若いカップルは別の個室で静かに本を読んでいる。幼児は子供ゾーンの円形ルームで転がりながら遊び、年長の子供たちは絵本や切り紙を楽しんでいる。疲れたお母さんはソファでのんびりしている。紙やかばんが床に落ちても、親も職員も気にしない。「お静かに」の雰囲気は全くないが、逆に居心地がいい。

学ぶ、遊ぶ、集まる、楽しむ場としての地域図書館。だれでも自分の居場所が見つけられ、静かな休日と豊かな地方の暮らしそのものがそこにある。

新潟日報エリナレター掲載