科学技術の活用に力

3月上旬に北朝鮮の平壌(ピョンヤン)と開城(ケソン)、元山(ウォンサン)、咸興(ハムン)、平城(ピョンソン)、海州(ヘジュ)を訪れた。平壌では、数年前には人だかりがしていた高級レストランを訪れる人が減り、経済制裁に伴う景気の悪さを感じた。

一方、地方都市や農村では、ワンボックスカーや小型バスを利用した都市間バスが数十分に1本運行されており、車内はほとんどの場合、定員を超える利用客でいっぱいだった。街から村へ、村から街へ、自転車に荷物を載せて行き来する人が以前よりも増えている=写真=。農村部の人々の装いも、以前よりもずっと洗練されてきている。予想に反して活気があり、個人や民間による商売やビジネスが盛んになっている。

北朝鮮では現在、科学技術を農業や工業生産に活用する産官学の協力が強調されている。平壌を中心に、大学の教員に対する住宅(マンション)を国家が建設して提供する動きが広まっている。研究成果に対して経済的に報いられなかった時代は終わり、技術革新に対しては相応の報酬も支払われる。それゆえ研究者や技術者を志望する人が激増しているという。

平安南道(ピョンアンナムド)平城市で、地域で一番という高校を訪問する機会があった。ちょうど入試の最終日だった。学校を案内してくれた先生は、最近は子どもたちよりも保護者たちが熱心だと言う。生徒と数分間おしゃべりをした。かなり流ちょうに英語を話す。男女共に技術者になるのが夢だと語るのが印象的だった。科学アカデミーの所在地の子どもたちらしい、すてきな夢だと感じた。

新潟日報エリナレター掲載