混迷の中、国民を鼓舞

10月1日に中国は建国70周年を迎えた。中国ではさまざまな記念行事が行われたようであり、その名残が街中で見られる。世界最初の社会主義国であるソ連は、連邦成立から69年後の1991年末に崩壊した。17年のロシア革命から数えると、ソ連の社会主義は74年間存続したことになる。

このような時間軸で見ると、この先の5年、10年は、「社会主義」国=中国にとって重要な時期になるだろう。ソ連のフルシチョフは50年代末に米国に「追いつき追い越す」スローガンを掲げたが、続くブレジネフの下で「停滞」の時代を迎え、それはむなしい夢に終わった。対照的に、今や世界第2位の経済大国である中国は、建国100年後の2049年には米国を追い越すことが確実視されている。しかし、中国は経済成長が減速する「新常態」の状況にあり、香港情勢の緊迫化も含め、多くの国内問題も抱えている。

この混迷の中で中国は、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想は全党全国民が中華民族の偉大な復興を実現するための行動指針」=写真=、「建国の理念を忘れてはならない」といったスローガンを打ち出し、国民を鼓舞しようとしている。その有効性はともかくとして、習近平が自国の未来に持つ強烈な意思がそこに見て取れる。この強烈な意思は「一帯一路」を通して世界的に展開されている。このような政治的なスローガンは、社会主義の歴史を持ち、権威主義体制とも見なされる現在のロシアでも見られないのではないか。共産党一党による集権体制の下にある中国において必要かつ可能なのかもしれない。

新潟日報エリナレター掲載