一体化の時代に突入

中国の地域政策は時代と共に変化してきた。1990年代には東南沿海開発が行われ、経済成長をけん引した。2000年代前半は西部大開発や東北振興等が行われ、地域間格差の是正に取り組み、2000年代後半からは地方政府主体の発展戦略が策定され、多様な地方発展モデルの形成に重点が置かれた。10年代半ばから現在は、国内地域経済の一体化を狙う政策に変貌している=図=。

日本では「一帯一路」を中国の国際構想として捉えているが、中国国内的には、東部沿海地域から中部・西部を通って中央アジアや欧州につなげ、鄭州、重慶、西安等の内陸都市の経済を活性化させ、国内の地域一体化を促す役割もある。たとえば鄭州と欧州を結ぶ国際貨物列車は、開通時の週1便から現在の週9便に拡大し、地域経済の活性化に大きく貢献している。

京津冀(ケイシンキ=北京・天津・河北)協同発展は、首都周辺3地域をつなげ、連動的な発展を目指している。東北全面振興は、遼寧、吉林、黒龍江を中心に市場経済の質を改善して産業の国際競争力を強化するとともに、他の沿海地域との連携も重要視している。長江経済帯は、上海を起点とし、長江をさかのぼって江蘇、四川、貴州等11の省を対象とする物流ルートの整備、地域間障壁の打破等を通じて連携を促進する。粤港澳(エツコウオウ=広東・香港・マカオ)大湾区も3地域間連携を促し、珠海、香港、マカオをつなぐ世界最長の海上橋(55キロ)が既に開通している。

このように、中国の地域政策は一体化の時代に突入している。地域にとってアクセスできる市場が拡大するメリットがあるが、市場メカニズムに基づく地域間競争はより激しくなろう。

新潟日報ERINAレター掲載