マスク巡る意識変化

初めて日本に訪れた中国人がマスクをしている日本人の姿を見ると、戸惑うことが多い。中国人のイメージではマスクを使用するのは医者かウイルス感染者しか思い浮かばないからだ。SARSやMERSなどが流行した時にマスクを着用する人が一時的に増えたが、感染が収まるとマスクのない生活に戻った。

風邪などでマスクをする理由は日中で差異がある。日本人の場合「他人にうつさない」、「迷惑をかけない」ことをマナーとしているが、中国人の場合「他人からうつされない」、「自分を守る」と考えるのが普通である。筆者も昔はそう思っていたので、日本人の考え方を聞いた時は驚いた。今では日本のマナーになじんで風邪気味になるとマスクをするようにしている。中国でマスクをしていたら「日本人に似ているね」と言われた。

しかし、今回の新型コロナウイルスの影響で中国人のマスクに対する意識が変わりつつあるようだ。新型ウイルス感染症が流行していながらも、外出の際にマスクをしない人に対して「他人への配慮が足りない」と批判が出ていると聞く。マスク着用義務が緩和されても着用を継続する人=写真=が多いようだ。

北京市で6月1日から施行された「北京市文明行為促進条例(改正版)」には、初めて「公共の場所で(中略)、インフルエンザなどの感染性呼吸器疾患があるときはマスクを着用する」という文言が追記された。日中間でマスク着用に対して意識の差がなくなることを願う。

新潟日報ERINAレター掲載