支出から見える決断

ロシアの新型コロナ感染者数は500万人、死者数は12万人を上回った。日本の感染者数75万人、死者数1万3千人と比べると非常に深刻な状況だ。その割には予防対策が不十分にみえる点がロシアの不思議なところだ。

昨年の3月、新規感染者数が100人を上回った時点で、ロシアは早々に5週間続いたロックダウンに入った。一方で、秋に到来した第2波により1日の感染者数が3万人を上回る危機の中でも、ロシアはロックダウンには踏み切らなかった。行動制限への人々の反発が大きく、厳しい措置をとるのが難しかったのかもしれない。

感染状況を踏まえると、経済対策も弱いようにみえる。国際通貨基金(IMF)のデータによると、コロナ関連でロシア政府が実施した財政支出は国内総生産(GDP)の6%の規模にとどまった。日本はGDPの44%もの財政支出を行っており、差は大きい=グラフ=。

ロシア政府は人々の行動を制限しないし、経済対策もしないという決断をしたのだろう。実際、ロックダウンが繰り返されなかったおかげで、経済低迷はマイナス3.0%にとどまった。

現在、全人口の1割強に当たる1600万人が1回以上ワクチンを接種している。経済回復に向けた鍵は「スプートニクV」などの国産ワクチンの接種になることは間違いない。

新潟日報ERINAレター掲載