新大統領と国民に溝

現地時間6月9日の大統領選挙で67.69%の得票率を獲得し、フレルスフ・オフナー氏(53)が第6代大統領に就任した。フレルスフ氏は与党(モンゴル人民党)の党首であり、1月まで首相も務め、国会議員に4度当選している。

これまでの大統領は任期4年、再選は1回だったが、憲法改正により、6年の任期を務めるモンゴル初の大統領となった。

大統領選挙は新型コロナウイルス感染拡大の中、実施された。6月末時点で確認された国内感染者数は約11万2千人、死者数は530人を超え、深刻な感染状況となっている。昨年6月には国会の総選挙も実施されたが、その時期は国外からの帰国者の感染にとどまっていた。感染急増にもかかわらず大統領選挙を行った政府を批判する声もあった。

7月に開催されるナーダム祭(革命の勝利を記念する国民行事)を無観客で開催するという政府の決定に懸念を示し、中止を求める国民も少なくない。大統領就任の日、スフバートル広場付近でナーダム祭の中止を求めるデモ隊の一部が一時的に拘束された。デモ隊は「NOナーダム」という横断幕を掲げ、祭りの開催予算を新型ウイルスの国内感染抑制に回すよう求めていた。

新大統領は国家大会議(国会)前に宣誓し、スフバートル広場で軍の代表者にあいさつした=写真=。その後の国民への言葉の中で新型ウイルスの犠牲者への哀悼の意を示さず、ナーダム祭に関する論争について何も語らなかったのは残念だった。結局、7月2日にはナーダム祭の1年延期が発表された。

新潟日報ERINAレター掲載