JCB少しずつ浸透

7月にロシアは政府系ファンド「国民福祉基金」で35%を占めていた米ドルをゼロにし、中国・人民元とユーロをそれぞれ15%から30%、35%から40%に増やした。これは、国際決済通貨であるドルを利用した米国の度重なる制裁に業を煮やしたためだといわれている。

クレジットカードの世界でも、ロシアは米国離れを進めてきた。2014年3月のロシアによるクリミア併合を受けた制裁の一環として、ロシアの一部銀行のビザとマスターカードの決済が停止されると、プーチン大統領は成功している例として日本のJCBと中国の銀聯を紹介し、同じような「国産」決済システムを作る必要があると述べた。

同年7月にはロシア中央銀行が100%出資して「国家決済カードシステム」社が設立され、ロシア独自の「ミール」ブランドのカード発行が開始された。現在、「ミール」はデビットカード、クレジットカード機能のほか、18年7月からは公務員給与や社会保障費(年金、奨学金など)の受け取りに必須となり、シェアを伸ばしている。ロシア以外でも使えるよう、国際展開も進めている。

ロシアでほとんど使えなかった日本のJCBカードは、「ミール」との提携を通じて、使える場所が増えてきた=写真=。

中国の銀聯カードがモスクワやロシア極東で9割方使えるようになってきたのに対して、JCBはまだ6割程度、どこでも使えるようになった韓国や台湾とは大きな差がある。せっかく評価された日本発のカードブランドなので、ロシア全土で使えるようになるよう、日本のカード会社にも各銀行への営業を頑張ってほしいと思った。

新潟日報ERINAレター掲載