「雪解け水」印象づけ

新型コロナウイルスの感染は続いているが、少しずつ人の動きも戻ってきた。新潟を訪れる人々の楽しみは、何と言っても食だということを実感している。ガストロノミーツーリズム(美食旅)は新潟観光のキーワードだ。逆に、食品を県外に売り込む時には「新潟」という地名がブランド力を持つ。

ところが海外への輸出の場合は、そうはいかない。世界で新潟を知っているのは姉妹都市の人々ら、ほんの一握り。産地名で勝負できないとなれば、一つ一つの産品の味や食感、美しさなどをアピールするしかない。しかし、地道な努力だけでは販路開拓は厳しい。消費者に訴えかけるブランドイメージが欲しい。

そこで、「雪解け水」を前面に出すというのはどうだろう。本県は、地球上で最も積雪の多い地域である。それが豊かな農林水産品を育んでいるというストーリーで売り込むのだ。水の確保に苦しんでいる世界の人々の目には魅力的に映るのではないか。北東アジアでも、中国やモンゴルなどに水不足の地域が広がっている。

世界との競争は厳しいが、県内でも事例が増えてきている。モンゴルのスーパーにも本県産米が並んでいた(写真は2019年撮影)。輸出への取り組みは、新しい課題にチャレンジしたいという意欲ある若者の就業を促す誘因にもなるだろう。ここ数年は円安傾向が定着し、それがさらに加速する気配もあって、輸出には追い風である。本県は最近、県産農林水産品の輸出拡大実行プランを策定した。海外出張先で新潟の食品を目にする機会が増えることを楽しみにしている。

新潟日報ERINAレター掲載