北東アジアの新しいエネルギープロジェクト

北東アジアは静かに、西暦から陰暦の新年に移っている。しかし、エネルギー問題に絡む2つの大きな危機が迫っている。

まず差し迫った危機は、北朝鮮のNPT(核不拡散条約)からの脱退表明。2つめは、イラク問題である。ペルシャ湾は地理的には遠い地域だが、イラクへの軍事行動は日本、韓国、中国への石油供給にマイナスの影響を与えかねない。

米国はイラクへの圧迫を強め、武器査察・武装解除に対する完全協力を求めている。ワシントンとサウジアラビアの関係が複雑化する中で、この政策の陰にある最大の理由はイラクの膨大な石油埋蔵量であろう。イラクはサウジアラビアに次ぐ世界第2位の石油大国で、1,000億バレル近い石油埋蔵量をもち、韓国・台湾の石油輸入量合計に相当する1日300万バレルの石油を産出できる。

北東アジアのエネルギーに関する明るいニュースもある。小泉首相は今回の訪ロで、東シベリアから極東地域を通りナホトカの輸出施設まで結ぶ、大容量の石油パイプライン計画に関心を示した。この計画の費用は50億米ドル以上。他方、日本が輸入する石油、石油製品、石炭、LNGは年間800億ドル近くに上る。

米国では、サハリン、ハバロフスク、ウラジオストク、平壌、ソウルを結ぶ天然ガスパイプラインがKEDOによる2基の軽水炉の代案となり得るという見方がある。一方、当面はロシア極東の地域電力網から北朝鮮への送電線が最も現実的であるという見方もある。将来的には、北朝鮮を通って韓国へ電力を送る大容量の朝鮮縦断直流送電線ができる可能性もある。こうした計画は経済的側面だけでなく、北朝鮮を含む各国共同での危機回避のシナリオとしても好ましい。

新潟日報エリナレター掲載