中国新政府の農村政策動向

去る3月18日、日本の国会に相当する中国全国人民代表大会が閉幕し、新政府が誕生した。新政府は施政方針の中で、4大改革すなわち農村改革、金融改革、企業改革、政府機構改革を取り上げた。以下、この4大改革のうち農村改革をみてみたい。

2002年末の中国農村人口は総人口の6割に相当する8億人に上るが、1人当りの年間純収入は都市住民の3分の1に過ぎない。また、農村人口のうち余剰労働力は1億2,000万人を超えていると言われている中、2001年末の中国WTO加盟に伴う外国の農産物の流入によって、中国農業はさらに大打撃を受けることが予測されている。こうした状況の下、政府は2020年までにGDPを2000年の4倍増の4兆4,000億ドルとすることを目標として掲げ、その目標を達成するために、農民収入の向上と余剰労働力の吸収のための改革が急務と位置付けた。具体的政策としては、次のようなものがある。

1つ目は戸籍制度緩和政策(農村戸籍から都市戸籍への変換が容易になる政策)を実施し、農村人口の小規模都市への転入を許可する。2つ目はこれらの小規模都市に中小企業、サービス業などの第三次産業を発展させ、雇用状況が深刻化している大都市への流入を防ぎ、小都市での就業機会を増やし、農村余剰労働力を吸収する。3つ目は農業経営の産業化を図り、生産率と商品化率を高める。4つ目は政府の貧困政策支援を強化することなどである。

これらの農村政策の実施とその効果は、今後の中国の経済発展、社会安定に大きく影響するに違いない。その行方を見守りたいと同時に、日中間の農業分野における協力の可能性がまだまだあるように思う。

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図-都市住民と農村住民の年収格差

新潟日報エリナレター掲載