ハバロフスクで休日を
ここ2~3年、ハバロフスクを訪れた日本人は帰国後、判で押したように「ハバは見違えるほどきれいになった」との感想を漏らす。行くたびに街の姿が変わるのは中国の専売特許かと思っていたが、ハバロフスクもその仲間に入ろうとしているようだ。と同時に、生活レベルが上がってきていることも感じられる。日本とそれほど違わない値段でファッションや雑貨、家電製品などを売るショッピングセンターもオープンした。もちろん、現地の人にとってはかなり高い価格だが、人通りは絶えない。目抜き通りにはこぎれいなファーストフードのお店もできた。ハンバーガー160円、コーヒー80円の店内で見ることができるのは、平均月給25,000円という公式統計などまったくあてにならない現実の市民の姿である。
ハバロフスクの夏は日が長い。夕闇が訪れるまでの時間を家族や友人と連れ立って、あるいは恋人同士で散策する場所には事欠かない。並木通りや中央広場(写真)、目抜き通り、そしてアムール河畔などで時間を過ごす。テント張りのオープンカフェの冷たいビールに喉を鳴らすこともできる。夜10時、夕日がアムール川に沈むころには子供連れは少なくなって、若者たちの時間となる。散歩を楽しむことに慣れていない日本人の体力の限界がやってくるのもこの頃で、悲鳴を上げる体を引きずってホテルに退散することとなった。
ERINA(環日本海経済研究所) 新井洋史
新潟日報ERINAレター2003年08月18日掲載