新しい市場を待つモンゴル純毛カーペット

モンゴル経済にとって、農業は国民総生産の30%以上を占める重要な産業だ。特に畜産業は農業総生産の80%以上を占め、全世帯の34%以上が畜産業を唯一の収入源としている。数がもっとも多いのは羊で、国内の家畜総数の44.5%、1,060万頭にのぼり、1人当りの数では世界第3位にある。こうした家畜から、モンゴルではウールまたはダウンと呼ぶ柔毛、ヘアーと呼ぶ剛毛、山羊のダウンであるカシミヤなどの貴重な資源が毎年、生まれている。気温が上がり始めるとダウンは抜けやすく、採取が容易になる。山羊、牛、ラクダのダウンは櫛で梳かして採集し、羊のウールやヘアーは刈り込まれる。

モンゴルでは年間約25,000トンのウール、ヘアー、カシミヤが作られ、そのうちの70%以上が羊毛だ。これらの原材料を元にした加工産業は1930年代半ば以降、大きく成長した。1971年には、ウランバートル最大のカーペット製造会社ウランバートル・ヒブス社が設立され、機械織りで年間35万㎡、手織りで1,000㎡の製造能力を有する。

モンゴルの羊毛は、そのしっかりした素材感がカーペットやラグに適している。1990年代以前は、モンゴルで作られるカーペットの90%以上が輸出されていたが、現在は20%以下に落ち込んでいる。旧社会主義国における輸出市場を失って以来、新しい市場を開拓できないでいる。それでも、ピュア・ウール(純毛)のモンゴルカーペットはトルコやベルギー製と競っている。品質にうるさい日本の顧客も近い将来、モンゴルカーペットを手頃な値段で購入できるようにと願っている。

fg030901_1

新潟日報エリナレター掲載