北へ伸びる京義線

2000年の南北平壌サミット以後、南北朝鮮間で京義線を連結するプロジェクトが進められている。この3年間に韓国側は京義線の北限をムンサンから臨津江、都羅山へと延長した。

ソウルから京義線のローカル列車で約1時間半(約130円)、臨津江駅に到着すると、「ソウルまで52km、平壌まで209km」と書かれた案内板がホームで訪問者を迎えてくれる=写真=。ソウル~平壌間は新潟~富山間にほぼ等しい。「特急列車が走るようになれば通勤できるかもしれない」と韓国の鉄道専門家が目を輝かす。

臨津江~都羅山間は補修中のためバスに乗り換えて行く。DMZ(非武装地帯)のゲートでは兵士がバスに乗り込み旅券をチェックし、ここから先写真撮影は禁止となる。新しく建設された統一大橋を渡ると一帯に都羅山駅、都羅展望台、第3トンネルとDMZ観光のスポットが並び見学者で賑わっている。都羅山駅は近代的なガラス張りの建物で人気の無い待合室の先には平壌行き乗車場の表示が開通を待っている。都羅山駅だけは写真撮影が可能だ。都羅展望台からは板門店や北朝鮮の開城が遠望できるが、北側は不気味なほど静かで人の姿は見えない。

関係者の話では京義線建設工事は北朝鮮側でも進んでいるが韓国側がかなりの資材を援助しているとのこと。京義線連結は地域安定のシンボルとしてのみならず経済的効果にも寄与することから早期開通が待たれる。

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新潟日報ERINAレター掲載