モンゴルのエコシティ開発調査
ERINAは東洋エンジニアリング㈱と共同で、ムルン市開発計画に基づいたモンゴルエコシティモデル計画の調査を行っている。ムルン市は首都ウランバートルから671km離れたモンゴル北部フブスグル県の行政中心都市で、人口40,000人ほどだが、農村部からの移入でその数は増え続けている。
モンゴルで最も美しい自然をもつフブスグル県は「モンゴルのスイス」と呼ばれ、人気の観光地だ。国内最大のフブスグル淡水湖があり、ムルン市の近くにはデルゲル・ムルン川が流れる。またリン酸塩、アルミニウム、石炭などの豊富な鉱物資源は国内外の投資を集めている。
しかし、経済発展と環境保護には多くの課題を抱える。1990年代半ばに主要な産業活動が大幅に縮小し、失業と貧困を招いた。未処理廃水による河川の汚染、家庭で燃やす石炭やディーゼル燃料発電所からの大気汚染、木材消費の増加と植林不足による森林伐採地の増加。度重なる森林火災と害虫の増加で、毎年数千ヘクタールの森林が破壊されている。
経済、環境、社会的に実行可能な発展のためには、これらの問題には持続可能でクリーンな開発コンセプトに基づき経済発展と環境保護の両面から取り組まなければならない。エコシティ計画には、次のようなことが盛り込まれる。
- クリーンエネルギー供給
- 地域社会のリサイクル
- 持続可能な土地利用
- 環境に配慮したクリーン技術に基づく中小企業の開発
地方自治体や住民はこの計画の実現に熱心で、モンゴル政府は日本へ資金援助を求めていく予定だ。
ERINA(環日本海経済研究所) エンクバヤル・シャグダル
新潟日報ERINAレター2004年09月27日掲載