東北振興戦略最前線

新中国成立以来、東北三省(遼寧省・吉林省・黒龍江省)は石油産業、化学工業、自動車製造業などの重工業分野において中国経済を牽引してきた。しかし、90年代初めからこれらの分野の国有企業の技術力の低下や設備の老朽化が進み、また、そうした国有企業の改革に伴って大量のレイオフ者が生まれ、東北三省経済は低迷した。

このような背景の下、2003年10月の中国共産党第16期第3回全体会議において「東北地区等旧工業基地振興戦略」の実施が決定された。東北における充実した産業基盤と交通インフラの整備、国有企業の再編と改革、地域間格差の是正、対外開放の促進、対外経済協力の強化を狙う考えだ。政府はこれを沿海地方開放や西部大開発と並ぶ重大な戦略と位置づけている。

まずは温家宝総理をリーダーとする「国務院東北地区等旧工業基地振興指導小組」を設立し、その事務室を国家発展改革委員会に置いた。2003年10月には東北三省を対象に610億元(約7,930億円)を投入する100項目の第1期プロジェクトを公表した。第2期プロジェクト60項目もまもなく正式に発表される予定だ。

こうした中、2004年12月18日、ドイツのシュレーダー首相が西側先進国の首脳として初めて吉林省長春市を訪問し、東北三省とドイツの経済協力懇談会を開催した。中国からは曾培岩副総理、東北三省の省長及び有力企業53社の責任者、ドイツからはシュレーダー首相と政府要人及び企業家が参加し、自動車、化学工業、機械電機、冶金などの分野において、多くの提携項目に合意した。

東北三省は、地理的優位性がある日本との連携を重視し、さまざまな優遇政策を打ち出している。これを活用して、日本企業(特に中小企業)の中国東北三省への進出、企業連携が増えることを期待したい。

新潟日報エリナレター掲載