北東アジアの観光地としての佐渡島
2005北東アジア経済会議イン新潟(6月6~8日)で議論されたテーマの一つが観光だった。観光を通じて国境を越える人流を増やし、地域内の経済・社会発展や相互理解と友好関係の向上につなげようとするものだ。
議論だけでなく、会議はエクスカーションも用意した。会議終了の翌日、会議参加者のために計画された佐渡へのエクスカーションに、アメリカ人の参加者の通訳として初めて佐渡を訪れた。能楽の里(写真)、妙宣寺、佐渡奉行所、金山、そしてトキの森を回るコースで、この歴史的な島を満喫できた。奉行所は特に興味深かった。しかし、新潟の観光誘致が大きな話題になりつつある今、いくつかの点で改善が必要ではないかと思っている。
まず、海外における佐渡の認識がまだ低いため、海外への佐渡の広報・売り込みを強化すべきだろう。また、仮に海外でのPRが成功したとして、日本語のできない人に、どれだけ佐渡の魅力を堪能してもらえるだろうか。英語の情報はだいぶ充実していたが、新潟空港を利用する隣人の韓国人、中国人、ロシア人向けの説明は見なかった。
私たちの1日コースは参加してみれば割安感があったが、多忙な会議参加者のエクスカーションとしては、時間帯と値段の条件が厳しかったのか、参加者が少なかった。ジェットフォイルは速いが値段が高い。フェリーは安いが、それで往復すると観光の時間がなくなってしまう。近頃は様々なセットプランやクーポンも用意されているようだ。北東アジアの観光客を誘致するために、私たちも含めて、皆で工夫しなくてはならない。
ERINA(環日本海経済研究所) エレナ・ゴールドスミス
新潟日報ERINAレター2005年06月21日掲載