北朝鮮に対する将来の多国間経済協力を考える動き

6月16-17日の2日間、世界各国から北朝鮮経済ウォッチャー、国際機関等の人道支援経験者、国際金融機関担当者、政府関係者等約30名がベルリンに集まり、ポスト6カ国協議の対北朝鮮多国間経済協力を見据えて勉強会を開いた。この会議は米国の財団の支援により開催され、国際社会への政策提言としてまとめられる予定だ。当初は北朝鮮当局の参加も予定され、そのために大使館のあるベルリンが選ばれたのだが、直前になって欠席となった。

会議はエネルギー・交通インフラ、農業・食糧、教育・保健・社会保障、経済改革、貿易・投資などの分野別に専門家の発表を叩き台として自由討論が行われた。私は日本からの唯一の参加者だったが、北朝鮮の交通インフラに関する発表を行った。鉄道、港湾などの北朝鮮の交通インフラは旧式で老朽化が著しく、また、国土全体に道路が未発達である。この点に関して国内事情に詳しい駐平壌ドイツ大使や四輪駆動車で悪路を回って支援活動をしているUNICEF代表の話も聞けた。尚、UNICEFは日本からの資金拠出に感謝しているとのことだ。

全般的印象として、欧州諸国と北朝鮮との関係が想像以上に密接だと感じた。欧州諸国は北朝鮮に大使館を設置しているところが多く、当会議でもスウェーデンとドイツの大使から貴重な内情が聞かれた。また、EUも対北朝鮮外交に熱心で、頻繁に現地視察を行っている。欧州各国が現在熱心に取り組んでいるのは市場経済化に取り組む北朝鮮からの研修生受け入れ事業だ。アジアの近隣国も積極的で、韓国の代表は多国間経済協力に先駆けて二国間支援を積極的に行う方針を示した。

拉致問題が存在する日本では北朝鮮への経済協力はタブー視されている。しかし、6カ国協議の再開が議論されており、核開発問題や拉致問題もいずれ決着すると考えられる。その後には日朝国交正常化や北朝鮮の国際金融機関への加盟も実現すると国際世論は考えている。長期的展望に立って勉強を始めるのに早すぎることはない。

新潟日報エリナレター掲載