中国企業の対日進出 キーワードは「走出去」と「収購」

新潟市の友好都市・ハルビン市で初めて開催された「新潟市投資環境説明会」のため先月、訪中した。従来、日中間の貿易・投資は日本企業の対中進出がベクトルであり、行政サービスも日本企業の投資サポートが中心だったが、時代は大きく変わりつつある。

中国では「走出去(ゾウチューチ)」という対外進出戦略が推進され、日本の自治体の誘致担当のキーワードともなっている。最近でも、中国パソコン大手の聯想集団がIBMのPC事業を買収し、家電のハイアールが米メイタグ社の、中国海洋石油が米石油大手ユノカル社の買収を試みるなど、本格的な海外投資が進みだしている。ERINAによる外資系企業誘致研究の提言(2005年3月)を受け、新潟でも具体的な動きが始まった。

ハルビン市での説明会は7月20日、友誼宮ホテルで行われ、現地企業から約60名が出席した(写真)。新潟市の投資環境やコスト比較、黒龍江省社会科学院による報告が行われ、詳細な資料やパンフレットも配られた。企業代表の真剣な質問を交え、熱気のこもる会場となった。この時ERINAが実施したアンケートでは、有効回答数45のうち、新潟への進出可能性があると回答した企業が13にも上り、予想以上の成果が得られた。1件の企業誘致で少なくとも数千万円の資金が動き、地域に定着すれば億単位のビジネスが生まれる。

その後、黒龍江省政府や遼寧省瀋陽市でも対日進出の希望を聞いた。彼らは「収購(ショーゴー)」、すなわち日本側の資金不足の企業や、一緒に市場展開できる企業に対するM&Aの可能性を模索していた。おそらくこれが数年後には日常的な形態となろう。新潟でも中国の資本を活用して企業を元気にし、地域に活力を与える知恵が試されている。

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新潟日報エリナレター掲載