内モンゴルと北東アジア
中国・内モンゴル自治区は私の郷愁を寄せる故郷だ。
中国の東北・華北・西北の3つの地域にまたがる内モンゴルは、「西部大開発」政策の対象地域に当たるが、内モンゴルへの政府資金の投入は消極的だ。内モンゴル政府機関に勤めている親友によると、どう頑張っても他の地域より資金の投入が少ないという。内モンゴル全域が西北に属していないせいだろうか。また、東北地方の旧工業基地に対する「東北振興」政策も実施されたが、内モンゴルの北東地域には適用されなかった。おそらく「旧工業基地」に含まれていなかったのだろう。
北東アジア経済を振興しようと多くのプロジェクトが行われ、さまざまな経済交流活動が深まっている中で、内モンゴルの存在がプロジェクトから漏れてしまうこともしばしばだ。内モンゴルがどのように中国政府の地域振興政策に対処すべきか、また北東アジア経済圏に対してどのような行動を取るべきか、私はたびたび考え込んでしまう。
しかし最近は、内モンゴルの人々が自ら地域を振興しようとする動きが多くなった。例えば12月23~26日には、満洲里で中・ロ・モ3カ国の「第3回美人コンテスト・第7回満洲里国際氷雪祭」が行われた。内モンゴルが積極的に経済交流を深めようと行動を起こし、北東アジア地域内での存在をPRしようという努力が感じられる。
内モンゴルは中国とヨーロッパ大陸を繋ぐ重要なルートであり、輸出入の窓口であり、その上重要なエネルギー基地でもある。数学用語で比喩すれば、内モンゴルは北東アジアの「補集合」ではなく「共通集合」と言えよう。今後、内モンゴルが北東アジアと一心同体となって共に発展することを強く期待している。
ERINA(環日本海経済研究所) 何為民
新潟日報ERINAレター2005年12月27日掲載