ロシア代表団、柏崎刈羽原発視察を熱心に視察
ERINAは3月22日、日ロの関係者を集めてロシア東部のエネルギー資源の活用を考える「新潟・日露エネルギーフォーラム2006」を朱鷺メッセで開催した。事前の状況把握も兼ねて、会議前の2日間、ロシア人参加者向け視察旅行を実施した。3月20日は、日本海エル・エヌ・ジー(株)、東北電力(株)東新潟火力発電所、三菱ガス化学(株)新潟工場という新潟市内および近隣の施設を回り、21日は東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所を見学した=写真=。
21日は祝日だったにもかかわらず、副所長以下大勢の職員の方々が歓迎してくださった。原発視察に参加したのは、燃料会社、電力会社、研究者、政府および地方行政のエネルギー政策担当者という面々。当然ながら、ロシア側の柏崎刈羽原発への関心は非常に高いものだった。
国の地形上、日本では全ての原発が海岸部に作られていることがロシア人には新鮮に映ったようだ。また、放射能漏れの安全性を何度も確認する姿に、「もうそれくらいで…」と言わざるを得ない場面もあった。彼らは「チェルノブイリ」を経験した。放射能への気の使い方には日本人の想像を越えるものがある。
原発内部の視察でもみな熱心に説明に耳を傾け、安全管理技術の高さを目の当たりにし、感銘を受けていた。視察の最後、ロシア側の代表者が原発関係者の努力をねぎらうように、こう述べた。「原子力発電とは、何事もなければ忘れられ、ひとたび何か起こると一気に注目を集める存在。世間がみなさんをそっとしておいてくれる状況が続くよう願っています」。
ERINA(環日本海経済研究所) 丸山美法
新潟日報ERINAレター2006年04月04日掲載