高級マンションがにょきにょき-大連・星海公園
4月上旬に大連に出張した。大連は中国の東北地方の大都市には珍しく海のある街だ。日露戦争以来、日本との関係が深いこともあって、大連の街を歩いていると日本時代の痕跡を多く目にする。大連の海辺には、日本時代に建設された「星ヶ浦公園」の一部が残っていて、「星海公園=写真=」という名の公園になっている。この公園に隣接して星海広場という総敷地面積4.5平方kmのアジア最大の都市広場がある。天安門広場と同等の大きさだそうで、向こう側に渡るだけでも10分弱かかる巨大な広場だ。
星海公園の隣には、お城のような塔が目印の高級マンションがいくつも建設されている。市内中心部からは8キロほど離れているものの、海辺で眺めがよいので、居住を希望する人はかなり多いそうだ。また、不動産価格の値上がりを期待して買う人も多いとのこと。急速な経済成長にともなって、余った資金が不動産に投資され、建設ラッシュを牽引してきた。
中国は最近になって機関投資家の外債、外国株式への投資を認める政策を発表したが、これが国内の建設ラッシュにどう影響するのか、買えば上がるといわれていた不動産もこれからはそう簡単には値段が上がらないかもしれない。大連の高級マンションの行く末も、国際経済の動きと複雑に絡んでいくことになりそうだ。
ERINA(環日本海経済研究所) 三村光弘
新潟日報ERINAレター2006年04月25日掲載