中国版・産学共同の実力

中国の大学発ベンチャーは日本よりも進んでいる。大学が自ら企業(校弁企業)を興し、学校経営を行うための収入確保を目指している。2004年末までに全国592校の大学等で4,563社の企業が設立された。中でも、北京大学の“方正”、清華大学の“同方”などは国際企業として成長している。

企業を持つ大学ランキングの上位に、黒龍江省のハルビン工業大学がある。学生5万5千人、教員3千人を抱え、有人衛星などの宇宙工学やロボット、マイクロソフトとの提携によるIT開発などが内外に名高い。地下鉄やハルビン空港までの高速道路、国際展示場の建設運営等に携わる工大企業集団を持ち、企業の売上は288億円に上る。日本の大学とは、東工大、京大、阪大、名大、早大などに加え、昨年12月には新潟大学工学部とも交流協定を締結している。

ハルビン工業大学は文科系学部(学院)も併せ持つ総合重点大学で、ロシア、韓国、日本等の経済研究所を設置する国際経貿関係学院もある。院長の宋要武氏は若いが、経験も多彩で世代交代期の中国を象徴するような人物だ。ERINAとしても同学院との交流協力を進めていくこととし、今年6月には同学院と共催で、ハルビンにて「旧工業基地体制転換国際会議」を開催した。会議には小島明日本経済研究センター会長など日本の有識者も多く参加し、東北振興等についてさまざまな視点から議論が展開され、大変有意義だった。

著名な地域経済学者である一橋大学の関満博教授は「新潟県は戦略的にハルビン工業大学との連携を考えるべき」と述べておられた。これからは中国から知恵や経験を導入する時代となるかもしれない。

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86年の歴史を有するハルビン工業大学

新潟日報エリナレター掲載