心したい 外国人への接し方

先月、7年ぶりにカザフスタンを訪問した。世界のあちらこちらで21世紀のエネルギー安全保障のあり方を議論するのが「日課」となってしまった。ユーラシア大陸の中心に位置し、ロシアと中国に挟まれるカザフスタンは、エネルギー大国。世界的なエネルギー価格の高騰で潤い、首都アスタナや旧都アルマティでは建設ラッシュが相次ぐ。

人々が自信を取り戻しつつあることを喜び、帰国の途につこうとした時、問題が起きた。今回、筆者は一旦隣国キルギスへ陸路出国し、帰路はアルマティに戻ってから次の国へ旅立つ計画だった。そのため、事前に2回分の入国ビザを用意して行った。

ところが、最初にアスタナ空港に入国した際、入国審査官が誤って2つのビザに同時に入国スタンプを押してしまっていたのだ。キルギスへ向けてカザフスタンを出国する際は、その旨説明することで問題はなかった。ところが翌日、キルギスからカザフスタンに戻ろうとした際、ある隣国からの不法移民による不正ビザ入国ではないかと疑われ、取調室に連れていかれた。

怖い顔をした国境警備隊の責任者がビザを念入りに調べる。若い部下はベルトを外し、床に思い切り叩きつけ、「笑うな!」と怒鳴りつける。言葉が通じなかったらどうなっていたのかと想像しただけでぞっとする。結局、この責任者は渋々とした表情で筆者のビザが完璧に合法なものだと認め、事なきを得た。

その後、別の若い審査官が再入国手続きに当たった。「ごめんね。不法移民が絶えないし、日本人は珍しいんだ」と声をかけ、国境通路で我先にと大勢の人々が押し寄せる中、「皆さん、遠い日本からお客さんが来てくれたんですよ。先に行かせてあげましょう」と言ってくれた。溜飲が下がった。

どんな楽しい旅の想い出も、出入国のイメージに左右されかねない。新潟は国際都市だ。我々の外国人に対する接し方ひとつで日本の対外イメージにも影響を与える。今回の経験を他山の石としたい。

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雪化粧の始まった天山山脈(キルギス・ビシュケク郊外で撮影)

新潟日報エリナレター掲載