カザフの交通発達を実感

昨年末、国際協力機構(JICA)のカザフスタン物流機能向上調査に参加する機会を得た。国土開発の中心である輸送路整備のノウハウを教えてほしいと言うのだ。しかし、日本の7倍の国土面積に1,500万人が暮らすカザフスタンだ。余りに違う自然環境、社会環境のため日本の経験は殆んど参考にならないと思うのだが、走っている車は日本車が多く、人口の50%を占めるカザフ人は日本人そっくりの容貌で親近感がわいてくる。女性の黒髪の美しさはもう日本で殆んど見られないこともあり感動的でさえある。

ここで面白いカザフ男性と会った。名をラッシドという。モスクワ大学を卒業後、日本の大学で日本経済論を学び、現在はカザフスタンのある会社の中国支店長として新疆ウイグル自治区の省都ウルムチに駐在している。

実は、今回の調査団の中に彼の恩師が参加していた。ラッシドはその恩師に会いたい一心で、ウルムチで仕事を追えた後タクシーに乗り込み、カザフスタンの都市アルマティに向かった。そこから恩師が待つ首都アスタナまでは、夜行列車に乗るつもりだ。ウルムチから国境を越えてアルマティまでは1,100km。計算では夜行列車の出発時刻に間に合うはず。タクシーで走ること13時間、アスタナ行きの夜行列車に何とか飛び乗って、翌日、恩師との再会を果たした。この師弟愛も感動的だが、ユーラシアの最も辺鄙な国境地域間をタクシーで安全にジャスト・イン・タイムで踏破できたという事実に驚嘆した。

新しい時代が来ていることを感じさせる出来事だった。日本語、中国語、カザフ語、ロシア語を自由に操る彼が、坂本竜馬のような行動力を駆使してユーラシアを大交流の場に仕立てていく日も近いだろう。

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建築家・黒川紀章氏の都市計画案に基づき開発が続けられる首都アスタナ

新潟日報エリナレター掲載