バイカル湖 観光地へ発信

ロシアも今年は暖冬だという。伝えられるところでは、モスクワでは雪より雨の方が多かったとか、熊が冬眠から目覚めて活動しだしたとか。2月半ばにイルクーツクを訪問した時の気温は昼間でマイナス10度前後。これでも平年に比べれば十分に「暖かい」。

イルクーツク市から車で約1時間走るとバイカル湖畔に出る。世界で最も深く、最も水がきれいと言われる湖だ。世界遺産にも登録されている。ロシア政府は、今年1月、この湖畔の一帯を「観光・レクレーション特別経済区」に指定した。今後20年間で、官民合わせて140億ルーブル(約700億円)の投資を見込むという大きなプロジェクトだ。投資する企業には、法人税や固定資産税などの優遇措置が用意されているという。日本からの投資に対する期待も大きい。

確かに、バイカル湖は稀有な観光資源であり、ブランド化も可能であろう。長さ600km、新潟県の面積の2.5倍というスケールの大きさ。それが、冬はほぼ全面凍結する。氷上にレールを敷いてシベリア鉄道の列車が渡ったこともあるという。何気なく撮った写真は、透明な氷が空の青さを深く映して、水面に浮かび立っているような不思議なものとなった。夏には、湖上を遊覧船が行き交う。湖畔の博物・水族館ではバイカルアザラシが愛嬌を振りまいている。

ただし、優れた素材があるからと言って、観光客が集まるわけではない。日本国内でも、各観光地が知恵を絞り、工夫を凝らして競争している。「投資」の話はさておき、知恵やノウハウに重点をおいた観光協力が大切だと感じた。

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新潟日報エリナレター掲載