カタカナ表記 難しい翻訳

私の名前はデイビッド(David)だが、デービッド、ディビッド、ディビット、デイヴィッド、そして時にはデビットなど、さまざまに表記される。

なぜ、私の名前はこんなにも増えたのだろうか?原因は翻字(ほんじ)だ。翻字とは原語を別の言語・書記体系に変換することで、字訳とも呼ばれる。例えば、日本語の「え」はローマ字では「E」、「り」は「RI」、「な」は「NA」と表記する。パソコンでのローマ字入力でこうした翻字を経験している人も少なくないだろう。

私は昨年12月にERINAで翻訳家としてデビューした。それから4カ月、日本語を英訳する中で、北東アジアの人名・地名との遭遇機会が大幅に増えた。翻訳家にとって、こうした固有名詞の翻訳が最も手腕を問われるところだ。その中でも、特に困るのはカタカナ表記の翻訳だ。本来日本語ではなかったものがカタカナで表記され、それをさらに英訳するとなると本当に難しい。外国語を学んだ経験がある読者は理解できると思うが、カタカナ表記は役には立つが、コミュニケーションの本来の目的の邪魔をしてしまうケースもあると思う。

そこで、私は日本語の漢字・ひらがな・カタカナに加えて、北東アジアの各国の文字・書記体系、つまり、キリル文字、ハングル文字、簡体字とピンインローマ字を勉強中だ。各国語を原語のまま理解できるようになって、素晴らしい北東アジアの地域の特徴と多様性を発見したい。皆さんもカタカナに頼りすぎずにコミュニケーションをとる旅にでかけてみてはどうだろう。

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新潟日報エリナレター掲載