瀋陽の発展に光と影実感

日本列島で厳しい残暑が続いていた9月中旬、調査のため中国遼寧省の省都である瀋陽市を訪れた。今回の訪問は、国際都市へと躍進している瀋陽市をじっくり視察する機会となった。かつて失業問題や国有企業の経営難に象徴された瀋陽市だが、現在はそれら負の側面が殆ど見られなくなったほど変化したことに驚いた。

市内にあった工場は郊外へ移転され、重工業都市のシンボルだった巨大な煙突は次々と取り壊されていた。そして、工場跡地は高層マンションや商業施設などに変貌し、超高層ビルがあちこちに立ち並び、夜になると綺麗なネオンやイルミネーションが輝いていた。

今年3月瀋陽に進出した西武百貨店(香港資本)に続き、高級デパートの伊勢丹の開業も決まっており、富裕層を中心に瀋陽市民の購買力が着実に高まっていることを実感できる。そして、北京オリンピックのサッカー1次リーグ予選が行われる予定のスタジアム(瀋陽奥体中心)は今年6月に竣工し、オリンピック効果への期待が高いことも窺えた。

一方、モータリゼーションの急速な進展に伴う交通渋滞と大気汚染が深刻だ。市内では合唱のような車のクラクションの騒音が響き、青信号でも安心して道路を渡れない程に車で溢れている。これらの自動車排気ガスに加えて、勢いを増す不動産開発ブームで工事現場からのほこりも多い。

訪問調査の一環として瀋陽市の郊外にある「棋盤山国際風景旅行開発区」も見学してきた。当地区は国際景勝地・観光地として開発が進み、車窓から数多くの観光施設の建設風景が目に付いた。「せめてここだけは、市内のような高層ビルが乱立しないように・・・」と願いながら、空気が澄んで自然豊かな棋盤山〓写真〓を後にした。

fg071016_1
瀋陽市郊外の棋盤山

新潟日報エリナレター掲載