森の親しみ方ロシアに学ぶ

今年の日本は早くも冬到来の感があるが、色とりどりの紅葉は寒さに耐えて美しい。銀杏並木の黄色い街路樹も圧巻であり、こころが和む。〓写真〓ロシアの秋は単色系の色づきかたで、「黄金色の秋」と呼ばれている。ポプラの木々の葉が短い期間、森を一色に染め上げる。すぐに冬将軍の到来である。そんな中、日本で言う小春日和(ロシアでは“おばあさんの夏”)が2-3日間奇跡的にあり、なにやらほっとするような懐かしい思いにさせられる。

ロシア人は一年を通じてどこで遊ぶにも森と共に過ごす。サウナのある保養所、キャンプ場、川岸の魚釣り、きのこ狩り、野いちご摘み、すべてが森の中にある。まるで森から生命をもらっているように。

これから長く厳しい冬が巡ってくる。雪の風景になってもかなり遠い森の公園を散歩する。森の中ではすこし風が凪いで寒さが和らぐ感じがする。どんなに寒くとも、毎日1時間ぐらい戸外を散歩する。特に乳児を抱えた若夫婦は乳母車とともにゆっくりと会話を楽しみながら寒い中を散歩する。子供の気管支や肺が寒さに負けないように、寒さになじむように日々の訓練を怠らない。そうして鍛えてあげないと大人になってから風邪をひきやすい体質になるという。勿論、防寒には気を使って、まるでこけしのように赤ん坊の体を毛布でぐるぐる巻きにして乳母車に乗せている。

ロシア人にとっての森はゆりかごであり、恵みの大地でもある。もし敵が襲ってきたらどこに隠れるか、と聞いたら森に隠れるとの答えが返ってきた。森は外敵から人々を防いでくれる隠れ家でもあり食料庫でもあるらしい。日本では山ひだに隠れると答えるのだろうか。こんなことを思い出すと、日本も里山、林、森を大事にしなくてはと、考えが及んだ。

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新潟日報エリナレター掲載