北東アジアの重要性伝える
今年の春節に中国人観光客が世界中にあふれたように、北東アジアの様相がズンズン変化している。日本でも、北東アジア交流に弾みがついてきた。秋田では鉄道輸送とロシアへの海上輸送をつなげる「シーアンドレール構想」の実証実験が行われ、境港でも韓国とロシアを結ぶフェリー計画が浮上している。地方の動きに加え、日本の国としても敏感に対応すべき北東アジア時代が到来したといえよう。
北東アジア経済について、新潟のみならず日本、世界を代表する調査・研究機関として、ERINAは一定の評価をいただくようになってきた。そこで、この1年間の調査・研究成果を報告し、政策提言する「ERINAポリシー・プロポーザルセミナー」を15日、都道府県会館(東京都千代田区)で開催した〓写真〓。昨年に続き2回目の開催であった。
報告したテーマは、経済統合・FTA、エネルギー・環境協力、食料安全保障、北朝鮮経済、中国東北振興・瀋陽経済圏の5つ。グローバルな面でもローカルな面でも、良くも悪くも、世界の注目を集めるテーマであり、北東アジアの一員として日本が関与しなければならないテーマである。
東京で行うセミナーだけに、聴衆には日頃シンポジウムなどで講師を務める方々の姿が多く見受けられた。ロシア極東、中国東北、日本の日本海側などローカルな経済圏が、環境や食料などグローバルな課題の鍵となっている。このことを日本の中枢に伝え、ともに考える意義は大きい。いま、世界の主な国々でもっとも変り映えしないのは日本かもしれないのだから。
ERINA(環日本海経済研究所) 中村 俊彦
新潟日報ERINAレター2008年02月19日掲載