交流も「チェンジ」目指し

マイクロソフトやボーイングの本社、スターバックス第1店〓写真〓の所在地といえば、米国西海岸のワシントン州シアトルだ。今回、私の「第二の故郷」シアトルに出張した。

現地入りした翌日、11月のアメリカ大統領選挙に向けた民主党予備選挙がワシントン州で実施され、若きオバマ候補が圧勝した。同候補がシアトルで演説会場の一つに選んだのは、偶然にも私の通った高校だった。私は仕事の後で、懐かしい恩師に再会した。恩師は、「チェンジ」をスローガンとする同候補のスピーチを直接聞いて興奮が冷め止らぬ様子だった。

彼はかつて、冷戦時代の真っ直中において、米国政治や人権問題を教える傍ら、「ソ連」というユニークな授業を開設し、生徒たちにこう訴えた。「ステレオタイプな見方に囚われるな。如何なる意見を持とうとも、個人の自由。但し、自分で勉強した上で意見を持て」と。いかにも米国式の教育法だった。彼との出会いは、その後私がロシアの研究を続けるきっかけとなった。

今回の出張では、シアトルに本部を置く米ロ経済協力協会を訪問した。同協会のロシア側カウンターパートは、いみじくも新潟県の姉妹都市ハバロフスクにある極東ザバイカル協会だった。後者の代表とは、今回の出張直前に新潟で旧交を温めたばかりだった。ロシア極東と米国西海岸を繋ぐのは広大な太平洋。その間に日本海がある。自分がERINAで研究者として関係するようになったのも全くの偶然ではなかろう。

人の一生には、目に見えない「運命の糸」があるのだろう。国家関係も、最後は人と人との繋がりだ。海を越えた「チェンジ」を目指し、共に夢を追いかけられるような次世代交流の橋を築いていきたい。

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新潟日報エリナレター掲載