もてなし質素「別の国」上海

3月下旬、国際会議出席のため、中国・上海〓写真〓に出張した。会議はある民営企業集団の本部で行われた。この企業は食品製造業などから発展し、現在では航空会社や小売業、学校経営など幅広い業務を展開している。この企業集団の副社長が国際会議の委員会の共同代表を務めていた。中国出張といえば、遼寧省の瀋陽、大連、丹東や吉林省の長春、延吉、黒龍江省のハルビンなど、中国東北部を訪れることが多い私にとって、上海は「全く別の国」だった。

会議の内容は別にして、食事や宴会などは、私がいつも行く東北地方とは全く別の作法で行われた。東北地方では、招待した客を腹一杯にさせないとホストは面子が立たない。だから昼食では食べきれないくらいの食事を出し、会議が終了した後の宴会にも参加者全員を何らかの形で招待する。昼食ではビールしか飲まないことも多くなったが、冬には40度近い焼酎で乾杯することも珍しくはない。

しかし今回、上海では、質素な昼食が用意され、アルコールは一切出ず、会議終了後の宴会には参加者の3分の1が招待されただけ。東北地方の基準から言えば、これは参加者をもてなす心に欠けているということになるだろう。しかし、上海の基準ではこれでも十分もてなしていることになるそうだ。

中国は広いと感じさせられた。また、こういった合理精神が中国の民営企業の発展、ひいては中国の経済発展を支えていることを学んだ上海出張だった。しかしながら、やはり少し寂しい感じがしたのは、中国東北部に似たもてなしの文化を持つ、新潟を知っているからだろうか。

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新潟日報エリナレター掲載