新潟交通マーク?に驚き

「なんでこんなところに?」思わず目を疑った。ロシア国境に接する中国・黒龍江省綏芬河(スイフンガ)市で新潟交通の観光バスとすれ違った時だ〓写真上〓。

日本の中古車がロシア極東にあふれているのは知っている。国境を越えてロシアのバスが綏芬河まで運行していることも。しかし、バスに限って言えば、左側に乗降口を持つ日本のバスは使っていないはずだ。国際バスターミナルに行ってみると同じようなバスが3台並んでいる。しかし、よくよく見ると、全部韓国製だ。なんのことはない、図柄を真似しているのだ。

翌日、国境越えのために乗り込んだのは、残念ながら中国側が運行するバスだった。帰国するロシア人観光客グループには現地ガイドから1人35kgの「荷物」が渡される。ロシア人が無税で自国内に持ち込める上限の重さだ。この瞬間、観光客は「臨時担ぎ屋」に変身する。バスは30分遅れて発車。ロシア側入国手続所の前には既に7台のバスが待っていた。少しも動じないロシア人。エアコンの無い車内で待つ人、炎天下の車外で待つ人。待つこと2時間半、ようやく我々の番だ。同乗者全員の手続きに2時間。早く終わった人は、やはり待つしかない。

バスが動き出してホッとしたのもつかの間、すぐ停車する。ここで「荷物」を下ろすのだと言う。小さな売店ひとつだけの質素なドライブインには、なんと新潟交通バスの図柄を描いた日本製トラックが待っている〓写真下〓。

作業を終えて、再びバスに乗り込んだ「観光客」たちは、無事に国境を越えたことを知らせるためか、携帯を手に家族に電話をかけ始めた。

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新潟日報ERINAレター掲載