金融危機生かし底力発揮を

100年に1度と言われる今回の金融危機。その深刻さは統計資料、マスコミほか生活周辺からも感じ取れる。私の友人は中国成長のシンボルと言われる深センで電線工場を経営しているが、需要の低迷から生産規模を縮小し、ほかの製品に替えたいと明かした。

金融業界のリストラが深刻さを増している中、上海市は米国・ニューヨークで金融プロを大量に募集するキャンペーンを展開している。好機を見据えていい人材を獲得する狙いだろう。

中国政府は金融危機に4兆元(約60兆円)の刺激策を出し、これを契機に鉄道、道路、通信、農村インフラ、環境、医療等の分野で一気に整備を進めようと狙っている。地方政府もこの刺激策をビッグチャンスとして捉え、例えば吉林省は延吉空港の拡充プロジェクトを入れて計4000億元(約6兆円)の予算を要求している。

日本は2度のオイルショックの経験から省エネ分野の改善が進み、現在は世界トップレベルの技術を持つようになった。新潟県内の燕三条地域も1980年代の円高危機に直面し、生き残るために工場を海外に移転せざるを得ない状況に陥った。しかしその時、営業努力で販売市場を海外から国内に転換し、技術の国外流出を防ぎ産業集積地としての存続を実現した経緯がある。

中国語で「危機」とは「危険」と「機会」両方の意味がある。「危険」を「機会」に変えるために、危機時に基礎を固め(インフラ整備の例)、新しい分野を開拓し(燕三条の例)、全く逆の発想をする(上海市の例)必要があると思う。深センの友人も地元新潟も、そして、日本、中国も「危険」を「機会」に変える底力を発揮できることを願う。

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中国・吉林省延吉市内の様子

新潟日報エリナレター掲載