世界がうらやむ日本の鉄道

2月5、6日、パリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)の主催で「輸送・物流企業間の統合と競争」と題した国際会議が開催され、欧米を中心に13カ国から約40人の交通経済の専門家が集まり、筆者も日本から唯一招待され参加した。会議は楕円形のテーブルを囲み、中に大型TVスクリーン6台を配置し、全員がスライドを見ながら顔を合わせて議論した〓写真〓。

国際海運分野では過去数十年間に合従連衡が進み、大手10社のシェアが60%を超える集中を見せている。過度の集中による独占の弊害が出ているのではないかとの危惧が研究者の間で起こっている。世界市場ではともかく、特定の地域を見ると少数の船社や港湾が独占的弊害をもたらしているという事例が環日本海でも観察される。

世界の鉄道分野では、欧州流の「上下分離」(線路や施設などインフラを管理する組織と運行や運営を行う組織を分離する)、あるいは日米流の「上下一体」、さらに民営化といった改革が進んでいて、どの手法が適切か専門家の間で意見が分かれる。

欧州では国境の壁を越えた鉄道輸送へ向けて動き始めているが、各国の運営方式は統一されていない。高速鉄道を含む旅客輸送では安全性のためにも上下一体が必要だが、貨物輸送に限ると上下分離が可能との意見が多かった。世界の鉄道を研究しているある専門家は日本のシステムが理想と見る。

実際、日本の鉄道は垂涎の的で、東海道新幹線が地下鉄のような頻度で運行され、大阪・京都間を私鉄3社が競合して分刻みのダイヤで、しかも安く運行していることは夢のように語られる。次回の会議は新幹線が通っている日本の新潟で開催して欲しいとの要望が出たほどだ。新潟をアピールする絶好のチャンスかもしれない。

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新潟日報エリナレター掲載