中国との交流が強まる台湾

先日、台湾を訪れる機会があった。最近盛んになっているという台湾と中国の交流が台湾にどんな影響を与えるか、興味があった。

台湾は昨年5月に国民党の馬英九総統が就任し、中国との関係改善を進めている。7月には中国に駐在する台湾人ビジネスマンを主な対象とした週末の直行チャーター便運行と中国からの観光客の受け入れが開始した。12月には海運の直行便と航空チャーター便の毎日運航などいわゆる「三通」(通信、通商、通航の直接開放)が実現した。

台北の空港に到着し、入国審査場に向かうと、そこには上海発の直行便で到着した中国人観光客が列をなしていた。市内の有名な点心レストランには、中国・陝西省からの観光団がバスで乗り付けていた。空港では緊張しているからかずっと押し黙ったままだった彼らが、市内では元気になり、大きな声で会話をしていたので、すぐに大陸の人たちだとわかった。

台湾は最近の東アジアではほぼ唯一、中国大陸から来た人を見ることのない場所だったが、もはやそれは過去のこととなった。台湾の人々の中には、中国に対して強い拒否感を持つ人も多いが、観光などの関連産業は新たな顧客をつなぎ止めるのに懸命だ。

人流の点でも、物流の点でも台湾は中国との結びつきを強めていくだろう。その結果、北東アジアの経済における台湾の役割を真剣に考えるときがやってくるに違いない。歴史的にも政治的にもデリケートな問題だが、真の北東アジア交流のためには目をつぶってはいけないと感じた。

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台北桃園国際空港の出発案内表示

新潟日報エリナレター掲載