日本製品売りたい 中国・延吉市の女性経営者
2月末、中国を物流調査で訪ね、遼寧省瀋陽市(人口約700万人)に昨年、仮オープンした瀋陽成宝百貨店〓写真〓を視察した。瀋陽市内には日本の百貨店も出店しているが、この百貨店は国営の老舗百貨店を大改修したもので、韓国と日本製品に特化し、他の百貨店と一線を画している。
瀋陽成宝百貨店は、吉林省延吉市(人口約50万人)に本拠を置く成宝国際商業ビル有限公司(成宝グループ)が延吉市に次いでオープンさせたもので、ERINA経済交流部は現在、成宝グループの貿易会社と新潟県内企業のマッチングに協力している。
成宝グループは延吉市内に日用雑貨、服飾品、靴などの卸・小売場を開設し、その百貨店は韓国製品の販売拠点となっている。延吉市民はもとより北京、上海、瀋陽、広東などからも大勢が韓国製品の買い付けに来る。中韓国交正常化(1992年)をきっかけに、延吉市内に多い朝鮮族の人脈を生かし、韓国製品を買い付け、中国全土に発信し、その功績は韓国政府から表彰を受けたほどだ。今度はこのノウハウを生かし、品質やデザインが人気の日本製品を売り込みたいという。
延吉成宝百貨店のテナントは女性経営者が多い。女性の視点で商品を選定し、消費者ニーズや流行を把握しているのだろう。その上、働き者で商魂もたくましい。一昨年の秋に新潟産品を大量に買い付けた実績もある。3月10日からは、ERINAの招聘で、成宝グループ貿易会社の女性経営者が新潟県内を回っている。新潟産品を満載した北東アジアフェリーが日本海を横断する-そんな春が待ち遠しい。
ERINA(環日本海経済研究所) 鈴木 伸作
新潟日報ERINAレター2009年03月17日掲載