誇らしげなエリート大学生

出張で平壌に行ってきた。故金日成主席の遺体が安置されている錦繍山(クムスサン)記念宮殿を参観する機会があった。そこで平壌市内の大学に通う学生たちの参観団〓写真〓と出くわした。北朝鮮で大学に入ることのできるのは”思想堅固”な家庭に育ち、厳しい受験競争を勝ち抜いてきたエリートだと言われている。参観の行き帰り、入口から本館までの500メートルほどの長い廊下を歩きながら、若き「エリート」たちの姿を観察した。

男子学生はスーツ、女子学生はスーツかチマチョゴリを着て、革靴を履いている。地方から来た参観団も目にしたが、その人たちと比べるとはるかに立派な服装だ。背筋を伸ばし、誇らしげに歩く彼らの目には力があった。自分たちが国の将来を背負うエリートであることを自覚しているように思えた。

参観の後、宮殿内の広場で記念撮影している彼らの姿を目にした。友人たちとおしゃべりをしながら待つ彼らの笑顔は日本の学生と変わらない。後ろ姿を見ると姿勢がよいせいかはつらつとした印象を受けた。

私自身が記念撮影をするとき、学生にお願いしてシャッターを押してもらった。遠来の客に声をかけられたことに少し驚き、はにかみながらも写真を撮ってくれた。旧仮名遣いの小説に出てくる昔の日本の学生の姿を彷彿とさせた。撮影後、プレビュー画面を見せてくれた。やはり彼らは同時代の住人だった。これからの北朝鮮を彼らが支えていくのかと思うと、他人の国のことながらうらやましく思えた。

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新潟日報エリナレター掲載