大規模なAPEC関連工事

「一日くらいお日様が出てくれてもいいのに。」5日間のウラジオストク滞在の最後、空港に向かう道すがら、空を眺めながら思った。よくてうす曇り。ほとんどの時間は厚い雲が垂れこめて、時折雨が降ってくる。梅雨前線は日本の南岸あたりにあるはずなのに、なぜか梅雨のような天気が続く。

2012年秋にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開催されるウラジオストクを6月28日~7月2日に訪問した。民間企業の方々と共にビジネスチャンスを探る出張だ。

現地では、会議場や世界一の斜張橋、市内の道路・上下水道などの都市インフラ整備、空港ターミナル建設など、大規模プロジェクトが目白押しである。ガスパイプライン建設など、その他のプロジェクトも合わせれば1兆円にも及ぶ資金の投入が予定されている。

しかし、仕事があるということと、それを受注するということは別問題だ。誰に発注権限があるのか。どのように受注者が決まるのか。まず、そこからの情報収集が必要だ。

ある訪問先で、「2012年までに本当に間に合うのか」という質問をした時だ。技術責任者は、そういう質問は無意味だと前置きして、「限られた機材、人材をやりくりしながら、期限までに完成させる手立てを考えるのが我々の仕事だ」と答えた。きっぱりとした態度に、技術者の心意気を感じ、頼もしく思った。

そうは言っても、現実は厳しい。自らの努力ではいかんともしがたい事情に翻弄されることになるだろう。彼の頭の上の雲が晴れるのはいつだろうか。

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APEC会場となるルースキー島への架橋工事

新潟日報エリナレター掲載