不況下も極東鉱工業堅調

2008年9月に起こった米国投資銀行リーマン・ブラザーズ破綻のショックは、世界金融危機、世界同時不況、円高へと波及した。新潟でもさまざまな不安がささやかれたことは記憶に新しく、いまなおその不安は解けていない。対岸の北東アジア諸国との経済交流でも、中国での工業生産が縮小されたら困る、ロシアへの農産品輸出はどうなる、外国人観光客はくるのか、などと心配する声があがった。

北東アジア経済を専門とする研究機関であるERINAは当然、対岸地域の経済動向を把握し、こうした疑問に直接あるいは間接的に答えていくことが役割の一つといえる。

隔月で発表しているERINA「北東アジア動向分析」などを基に、北東アジア各国の最近の経済状況を知る指標として、国内総生産(GDP)成長率を四半期ごとの前年同期比で集約してみた〓図〓。一見して、ペースが落ちたとはいえ内需拡大に注力する中国の“堅調”ぶりと、資源国ロシアやモンゴルの“右肩下がり”が目を引く。しかし細かく見ると実は、新潟と関係の深いロシア極東地方の鉱工業生産高がプラスだったり(サハリン州のLNG出荷開始が大きい)、中国内陸部で2桁成長を維持していたりしている。

さらに今後の見通しなどについて、ERINAでは独自に専門家を招くなどしながら研究を重ね、また先のエリナ・レターで紹介したとおり、賛助会セミナーを一般にも開放して情報提供している。中国やロシア国内の地域性にも着目しながら、これからの経済動向をさらに追跡分析し、研究所としての役割を果たしていこうと考えている。

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北東アジア各国のGDP成長率の推移(前年同期比)

新潟日報エリナレター掲載