資源開発拡大の一方で植林

昨年新潟市で開催された「日中経済協力会議」が、今年は8月、中国・内モンゴル自治区のフフホト市で開催され、筆者も報告者として出席した。会議は日中両国合わせて約450名が参加し、本県からも泉田知事を団長に17名の代表団が参加した。

内モンゴル自治区は、日本の約3倍の面積に、約2400万人(モンゴル族約500万人、漢族約1600万人)が住んでいる。一般的なイメージは草原と遊牧と砂漠だが、実は石炭、天然ガス、レア・アース(希土)など豊かな地下資源を有し、中国国内でも極めて高成長している地域だ。

中でもフフホト市の南西に位置するオルドス市はいま、1人当たりの域内総生産が上海市をはるかに上回り、莫大な資源収入で新都市を建設中だ。威容を誇る行政庁舎や奇抜な設計の博物館、高層マンション群、片側4車線の道路などがその発展ぶりを物語っている。

一方、郊外に出れば、馬鈴薯の緑、菜の花や麦畑の黄色などが織りなす絨毯のような美しさがあり、対照的に広大な砂漠や赤土も見える。道路脇や山の斜面には、まだ細く低いポプラや松の苗木が等間隔にびっしりと植林されていた〓写真〓。

ここでガイドは、砂漠緑化に生涯を賭した日本人・遠山正瑛氏を紹介した。84歳で日本人ボランティア「緑の協力隊」を組織し、住民とともに砂漠の植林を開始、約10年をかけ見事に農地や草原へと変えたという。この偉業が中国人に語り継がれているのだ。今も中国政府は巨費を投じて植林を行い、日本人によるボランティア活動も続いている。

拡大する資源開発や工業都市建設を進める一方、植林を続けるという二つの顔が見える。急成長する中国経済の推進力を知った内モンゴル訪問だった。帰路、機上から見た内モンゴルの山や大地には、植林の緑線が幾重にも続いていた。

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新潟日報エリナレター掲載